ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年06月15日
 キミがスキ 2 (2)

 うへえ。やっぱ、こういうドロドロとした展開になるのか。中学の3年間、同じバスケットボール部に所属し、お互いに惹かれながらも、付かず離れずの微妙な関係にある亜希と間瀬の二人だったが、クリスマスにデートする約束を交わしたことから、いよいよ友だちから先へと、その一歩を踏み出そうとしていた。しかしながら、そうはうまく転がってくれないのが物語というものである。ちょうど同じ頃、光一という、べつの中学の、バスケットボールで有名な選手が、亜希の前に姿を現し、彼女のことを、試合場などで見かけ、好きになった、と告げる。突然のことに驚きつつ、もちろん、断るつもりの亜希であったけれども、そのことをちゃんと伝えようとするさい、大切にしていたヘアゴムをどこかに落としてしまい、それを一緒になって探すうちに光一は、大怪我を負うほどの事故に遭ってしまう。このことがきっかけとなって、光一の傍にいることを選んだ亜希だったが、しかし、ほんとうは、心の奥では、間瀬への想いを断ち切れずにいた。以上が、渡辺あゆ『キミがスキ』の1巻における、おおまかな筋であり、この2巻では、同じ高校に進学した亜希、光一、間瀬の三人に、菜摘という女子が加わって、より面倒くさく面倒くさい恋模様が、繰り広げられてゆく。まあ、客観的にいえば、亜希の優柔不断ぶりが周囲の人間を傷つけているに過ぎず、おまえ、ふざけんなよ、といったところで、また間瀬の、亜希に対する未練があるような素振りも、作外の読み手は、亜希のほうの気持ちも知っているから、一概に悪いとは言い切れないのだけれど、でもちょっと、やり口が硬派じゃないよ、おまえ。いや、しかし、そのような傍迷惑こそが、要するに若さというもので、おそらく、当人ですらそれには逆らえず、だから苦しむしかないんだろうね、と、大目に見られたい。そうなってくると、怪我のせいで以前のようにはバスケットボールをプレイできず、それでも〈つまずいたっていつかは立ちあがるんだから / 気にしなくていいんだよ〉と亜希に言ってあげられる光一のやさしさが、不憫に思えてくる。この手の、前向きで素直なタイプは、三角関係以上の恋愛劇において、多くのばあい、噛ませ犬になりがちなので。あるいは根が真面目であることもまた、若さゆえの罪であり、したがって断罪されなければならないのだとしたら、生きるのも、恋をするのも、とても辛すぎる。
posted by もりた | Comment(2) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
この記事へのコメント
おもしろいです!
渡辺あゆさんの漫画が好きで、「キミがスキ」も1巻だけ読んだのですが、
ばっさり切られてて楽しかったです。本当ですよね。
Posted by ayu at 2007年06月19日 19:59
> ayuさん
コメントありがとうございます。
主人公の行動(というか性格)は、見ていて、ちょっと、うー、ってなるのです。
Posted by もりた at 2007年06月22日 17:30
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