ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2016年12月20日
 Draugr

 おや、こんな感じだったっけ。おおもとのデザインはそのままに着こなし方が異なるという印象を持たされた。PORCUPINE TREEのベーシスト、コリン・エドウィンを含む多国籍バンド、OBAKEのサード・アルバム『DRAUGR』のことである。イギリスのPORCUPINE TREEといえば、現代的なプログレッシヴ・ロックの代表格に数えられる。中心人物ではないとはいえ、早い段階からそこに関わってきたコリン・エドウィンだが、OBAKEのサウンドは、PORCUPINE TREEとは結構距離を置いたところにある。スラッジ・メタルやドゥーム・メタルの文脈に近い。ヘヴィな低音を前面に押し出したものだ。咆哮型のヴォーカルがいかつい一方、リズムのパターンには複雑さがあり、アンビエントの要素も入ってきている点に、たとえばNEUROSISやISISを引き合いに出すこともできる。この意味では、確かにプログレッシヴ・ロックであるような一面を有してもいる。しかし、あるいはやはり、ギターとベースの低音が無愛想なほどに徹底され、分厚いリフを粘り強く刻み続けることに、2011年のファースト・アルバム『OBAKE』や2014年のセカンド・アルバム『MUTATIONS』の特徴はあったと思う。だが、『DRAUGR』では、楽曲の展開とメロディのレベルに取っつきやすさが出た。もちろん、ヘヴィなことはヘヴィなのだけれど、クリーンなヴォーカルが大きくフィーチャーされ、以前にはなかった叙情性が支配的となっているのである。場合によっては、インダストリアル・メタルから引っ張ってきたかのようなノイズとクリーンなヴォーカルのメロディとがドラマティックにコントラストを作り出していく。バンドの名前に喩えて述べると、前作までが妖怪変化の類の禍々しさをイメージさせるOBAKEであったなら、今作は朦朧とした幽霊の姿をイメージさせるOBAKEぐらいの違いがある。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2016年)
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