ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年06月10日
 ナンバMG5 10 (10)

 小沢としおの『ナンバMG5』も、いよいよ10巻の大台である。だからといって、べつに節目というわけでもないのだろうが、いよいよ、主人公の剛ではなくて、彼の家族の念願であった市松高校の制覇が達成されるのだけれども、その、市松のアタマである陣内との対決は、わりとストレートにヤンキー・マンガしていて、これはこれで、けっこう熱い。陣内は〈昔から…何でもできた〉ために〈人生はつまらん〉と感じるクールな奴であり、こうした造型は、たとえば藤田和日郎のマンガ『うしおととら』に登場する秋葉流を彷彿とさせる、ある種の虚無を背負わされて成り立つ類のものだろう。これに対して、剛が真っ向からケンカで勝つということ、その意味をすこし考えるとき、背景には難破家という家庭のあたたかみが隠されているような気がしてならない。陣内の、そもそものターゲットが剛の兄である猛のほうであったため、おそらく一回は訪れる必要があったのだろうけれど、そうした初登場のシーンのなかで、彼が、難破家の賑やかな輪に交じっているのは、やや象徴的だといえるし、剛を焚きつけるべく、クリスマスの晩に、難波三兄弟が両親に用意したプレゼントを(そうとは知らなかったとしても)壊してしまうのも、なにか因果めいている。おそらく作者は、意識的にそうしているのではない、もしかしたら無意識なのかもしれない、としたら、なおのこと、そこから作者の、価値観とでもいうべきものを見出すことも可能だと思う。

 9巻について→こちら
 8巻について→こちら
 5巻について→こちら
 4巻について→こちら
 3巻について→こちら
 1巻について→こちら

 1話目について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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