
すったもんだの末に、同棲することを決意した真琴とシブカツであったが、しかしそれでも、大学を卒業し、社会人になったふたりの生活は、すれ違うばかりなのだった。そして、再びやってくる別れの予感。長く続いた恋が、辿り着く先はいったい。というわけで、この巻にて完結である。終わってみれば、当初は明確であった、真琴の化粧(を施すのが)上手という設定が、それはタイトルへも由来しているだけに、あまり生きなかったのは残念だったなあ。たしかに真琴は自分のそうした特性を自覚して、化粧品会社に就職するわけだが、そのことは、働く女性が夢を捨てずどう現実と向き合ってゆくかといった文脈に置換することができるけれども、やはり化粧云々は、あまりうまく作用していない。もったいない。ただアフター・モラトリアムの物語として並行してある、過渡期を経た恋愛の尊さみたいなものの描かれ方には、感心するところがあった。たとえ気持ちは変わってゆくものだとしても、また同じ気持ちがそこに戻ってくることもあるのだ。
