ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2016年08月24日
 てのひらの熱を(3)<完> (講談社コミックス)

 動作のスピード感、テンポの良さが好きである。『週刊少年マガジン』からインターネットなどの別の媒体へと異動し、人気を盛り返すケースも偶にはあるけれど、どうやら北野詠一の『てのひらの熱を』は、残念ながら、ということになったみたいだ。この3巻で幕を下ろしてしまった。たぶん、作者はもっと描きたいことがあったのだろうな、と思われるし、実際、作中の少年たちの成長をもっと見てみたかったぞ、と思いもする。空手を題材にしたマンガだが、作中の少年たち、とりわけ中学校に上がったばかりの主人公、木野下慎也と彼の親友、柳屋匠の(子供の世界における子供の視点の)生き生きとしていていたところに大きな魅力があった。反面、彼らの視点と対になるような大人の視点がうまく配置できておらず、教室であれ、部活動であれ、少年たちが成長していくために必要であったはずの舞台そのもののバランスを危うくしている。物語のなかで、コーチや教師の役割を機能させられなかったのも一因であろう。また、ドラマが暑苦しく、息苦しくなるのをクール・ダウンさせようとしてか、あちこちにギャグを挟み込むのは確かに有効ではあるのだけれど、不要じゃないかしらという場面にもギャグが突っ込んであるので、ちょっと白けてしまう箇所があった。はぐらかしたり、茶化したりすることより、少年たちのまっすぐな熱をもっと信じさせて欲しかったのだ。
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