ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2016年08月21日
 Death Thy Lover

 もちろん、ベースであるレイフ・エドリングが主体のバンドなのだから、彼がその気になりさえすれば、いくらでも蘇るさ、というのは道理であろう。2012年の『PSALMS FOR THE DEAD』がラスト・アルバム(ライヴでのみの活動)となるはずだったが、この4曲入りのEP『DEATH THY LOVER』をもって復活した。LOUD PARK 16で待望の初来日公演を果たす予定のCANDLEMASSである。

 2007年の『KING OF THE GREY ISLANDS』以来、ヴォーカルを担ってきたデヴィッド・ロウが抜け、代わりに迎え入れられたのは、かつてレイフの別プロジェクトであるABSTRAKT ALGEBRAでも活動を共にしていたマッツ・レヴィンだ。マッツ・レヴィンといえば、元SWEDISH EROTICAであり、元TREATであり、イングヴェイ・マルムスティーンからTHERIONまで、スウェーデンの様々なアーティストとセッションをこなしてきた人物である。しかして、そのメロディアスであることに優れた対応のできる熱っぽいヴォーカルは、エピック・ドゥーム・メタルの雄として知られるCANDLEMASSのスタイルにもしっかりはまっている。

 BLACK SABBATHをルーツとするかのようなスロー・パートのうねりを基調としながらもドラマティックでスケールの大きな展開を繰り広げるというCANDLEMASSのスタイルは、『DEATH THY LOVER』でも貫徹されている。ロバート・ロウのヴォーカルは美声と呼んで差し支えがなかったけれど、マッツの実力だって大したものだと思う。伸びがあり、骨太なところもある。それがエピック(叙事詩)であることとドゥーム(邪悪)であることとを構築的にした楽曲の緩急の鮮やかさを、さらに際立たせているのだ。レイフのソング・ライティングも円熟味を増しており、様式のごとく完成されたサウンドに乱れはない。

 確かに、メサイア・マーコリンのヴォーカルこそがCANDLEMASSにとっての最適解だという向きもあるだろう。しかし、ここまでの安定感で唯一無二と喩えるのに相応しいレベルのサウンドを提出していることの否定には決して繋がらないのである。そして、レイフと並んでCANDLEMASSを支え続けてきたラーズ・ヨハンソンとマッツ・ビョークマンのギターが、またマジカルな輝きを失ってはいない。このギターのリフが、このギターのソロが、と特筆したくなるような場面の数々には、勇壮と悲哀に満ちたロマンを掻き立てられる。

 ドラムのヤン・リンドーを含め、要するにヴォーカル以外は80年代の黄金期のメンバー(00年代に再結成して以降のメンバー)が揃っているわけだが、もしかしたらBLACK SABBATHが、元RAINBOWを加えようと、元DEEP PURPLEを加えようと、誰がヴォーカルを取ろうと、BLACK SABBATHでありえたのに近い領域へとCANDLEMASSは入りつつあるのかもしれない。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2016年)
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