ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年06月06日
 きららの仕事 15 (15)

 『きららの仕事』は、いちおう料理マンガとの建前は持っているにしても、それよりは往年の『週刊少年ジャンプ』的なハッタリでもって物語が引っ張られている、というのは以前にも述べた気がするけれど、それがここで、この15巻で、こういう展開を持ってこられたら、そりゃあ燃えるわ。スシバトル決勝戦、宿縁の敵である坂巻との対決が熾烈をきわめるなか、坂巻の、倒れたサポートに代わって姿を現したのは、こちらも主人公きららとの根深い因縁を持つ“渡りの覇王”龍博章であった。新生坂巻チームの徹底された「“漢(おとこ)”の握り」によって、ふたたび、窮地に立たされたきららに、博章は〈こんな未熟な職人がよくもここまで勝ち上がってこれたもんだぜ それほど今の鮨職人のレベルが落ちてるってことか〉と、余裕の態度を見せつける。ああ、これはもう勝ち目がないでしょう、だいたい、この圧倒的な力の差を前にさあ、もしも逆転があったらあったで、いくらフィクションとはいえ、白けてしまうよね。と、こうした最大ともいえるピンチの場面でついに、ついに、あの“鮨の鬼神”秤屋小平治が起つ。ここでひと盛り上がりである。つまり、会場の(そして、おそらくは読み手の)誰しもが、きららをサポートするために小平治が登場したのだと思った、その矢先、しかし彼は自分ではなくて、べつの、もっと驚くべき人物を、きららの新たなパートナーとして指名するのだった。そうか、そっちへ行くのか。ここでさらに盛り上がる。いや、もちろん、それも想定しうる範囲の人選ではあるし、先に引いた博章の〈それほど今の鮨職人のレベルが落ちてるってことか〉という言葉に対しての反論を考えれば、現役を退いた小平治よりは、むしろ妥当なチョイスでもあるのだけれど、まあ、そうした予断を含めてもなお、こういう展開を持ってこられたら、そりゃあね、と熱くならざるをえまい。かくしてテンションの昂ぶるなか、はたして鮨の神は、きららと坂巻のどちらの“雷神返し”に宿ることとなるのか。雌雄を決すべく、物語は、ノンジャンルの最終戦へと突入する。うんうん。完全にかつての『週刊少年ジャンプ』のノリだ。

 14巻について→こちら
 12巻について→こちら
 10巻について→こちら
 9巻について→こちら
 8巻について→こちら
 7巻について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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