ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年06月02日
 プチッコホーム 1 (1)

 いつ頃からなのか、もしかするとちゃんと検討する必要があるのかもしれないが、たとえば倉科遼(司敬)の原作に代表されるような、水商売を描くマンガ作品が、メジャーの青年誌で堂々とメインを張るようになった。キャバクラ嬢や風俗嬢、ホスト、スカウトマンなどなど、それらの職業が、かつてに比べると一般的になったから、なのかどうかは知らないけれども、やはり、そこには何かしら、時代性との因果が含まれているのだろう。佐藤智一の『プチッコホーム』は、まあ直截に水商売を扱った内容ではないけれども、この1巻を読むかぎり、そうした流れからの影響下に少なからず置かれている、と考えられる。新宿は歌舞伎町、水商売をおもに、深夜も働く人たちの子供を、24時間体制で預かる保育園「プチッコホーム」を舞台に、さまざまな人生の事情が語られるから、である。ただし、そのような設定が、この作者の作風とうまくマッチしているか、の判断は難しい。佐藤は、たしかに人の良い人間を取り扱ったら腕の立つタイプのマンガ家であるが、ここでは、そのことが、本質的にはヘヴィな話題の、その重みを拡散させてしまっている。それはもちろん、もうちょい生々しさが必要、ということではない。そうではなくて、主人公である新米保育士コッコの、温和な性格が、田舎の出身だという、ある種のステレオタイプ性によって保証されてしまっているのと同じように、夜の都会で働く人びとの、その良心を補足するためにしか、子供たちの存在が生かされていないことに、不満を覚えるのだ。

 『怪より始めよ。』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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