ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年05月26日
 新暗行御史外伝

 最新で16巻まで出ている本編のほうは、『BASTARD!!』パターンというか『ベルセルク』パターンというか、旧くは『デビルマン』シリーズにおける不動明(アモン)と飛鳥了(サタン)のような、双子的な存在の愛情と対立をめぐっての壮大な遠回り、まあ要するに、読み手がいくら、もうゴールしてもいいよ、と言っても、作者の側は、まだまだ掘り下げたいことがあるんだ、と言わんばかりの状態に入ってしまった感のある『新暗行御史』(尹仁完+梁慶一)であるが、それが表現として立派なものなのかどうか、率直なところ、よくわからんのですわ。と、このサイド・ストーリーをまとめた『新暗行御史外伝』を読みつつ、あらためて思う。外伝とはいっても、エピソード単体の強度で勝負するというよりは、かなり本編の捕捉(または蛇足)的な意味合いが強い。つまり、あの登場人物たちのことがもっとよく知れて嬉しい、という読みをし、さらには設定がしっかりしているなあ、との感心をしないかぎり、たんに見せ方が下手なマンガになってしまっている。併せて収録されている日本デビュー作「THE FOOLS」は、『新暗行御史』とはまったく関係のない、西洋ファンタジーふうの内容だが、〈人間は誰しも誤った道を歩むことがあるけれど、人間ゆえに悔いることもできます〉といったテーマの部分に重なりを持っており、じつはそのような発言をさせる、つまり何が善で何が悪か一概には判断できない、といった逡巡こそが、『新暗行御史』という物語の遅延に通じているものなのだ、ともいえるし、結論を先送りにするフィクションというのが、もはや紋切り型のひとつでしかないようなこの時代にあって、それはけして物珍しくも、目新しくも、志の高く感じられるものでもないだろう。


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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