ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2015年10月16日
 ハイジと山男(3)<完> (BE LOVE KC)

 山岳あるいは登山マンガにおける主人公の死亡率は異常だと思わされることが多い。たとえ主人公が最後まで生存できたとしても、彼にとって重要な人物が命を落とすという展開を迎えていることが少なくはない。もちろん、そのような危険との隣り合わせを実際に持った趣味であり職業であり行事なのだろうから、ドラマの作りとしてはまったく正しいのかもしれないし、むしろ、それを描くために選ばれた題材なのではないかと判断したくなることだってあるのである。安藤なつみの『ハイジと山男』は、登山客をサポートするための山小屋で働くこととなったヒロインの成長を中心に描いており、試練と格闘するかのようなクライマーの姿を直接扱っていないぶん、ライトな印象をもたらしてくれる。そこに他の作品と一線を画したものを見つけられるのだったが、ヒロインの成長とはつまり、高山の厳しさと豊かさとを直に経験していくことにほかならない。山をなめるな、自然をなめるな、というのは登山マンガにとっての不文律である。それを軽々しくしては誠実さを欠くのだろう。しかし、この3巻で完結した『ハイジと山男』にかぎっては、いくらでも和やかになりそうな物語をとかくシリアスな方面へ引っ張るかのようなバイアスになってしまったと思う。
 
・その他安藤なつみに関する文章
 『ワルツのお時間』1巻について→こちら
 『ARISA』
  11巻・12巻について→こちら
  10巻について→こちら
  5巻について→こちら
  4巻について→こちら
  3巻について→こちら
  2巻について→こちら


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