ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2015年08月21日
 Runin 2 (ヤングジャンプコミックス)

 同じ雑誌の同じ号に最終回が載りながら、森田まさのりの『べしゃり暮らし』が大々的にフィナーレを迎えるワキで、ひっそりと完結した印象がある。猿渡哲也の『Rūnin』である。そんなに人気がなかったのかと思う。いやあ、カタストロフィ後、秩序の崩壊した近未来を舞台とし、猿渡ならではの筋肉ムキムキのハードなアクションが繰り広げられるという内容には、様式美を愛でたくなるのに近いような魅力があったのにな。だが、作画の面でのスペクタクルに比べると物語が異様に暗く、スケールの大きな設定の割に作品の世界そのものに広がりが乏しかったのも確かであった。

 2巻では、かつては栄華を極めた日本人が危機感のなさから外国人の虐殺に遭い、絶滅に近付いてしまったこと(こうした背景のため、日本人である主人公の少年、タケルが一種の選民のように描かれていること)が直接的に語られていて、そこに作者の思想なりを見て取ることもできるけれど、サムライとしてタケルを育ててきた日本人の男性、ガモンとタケルの関係に『高校鉄拳伝タフ』並び『TOUGH』におけるオトンとキー坊の関係を重ねることも可能だ。ただし、キー坊を主人公だと信じていたら実はオトンの方が主人公みたいだったという『高校鉄拳伝タフ』にもあった転倒が、『Rūnin』の場合、初期の段階から起きており、ガモンとタケルの役割があまりうまくは分担されていなかったように思われ、それが登場人物に対する感情移入のレベルでネックになってしまっていた。

 もしかしたら、この2巻のエンディングの後、ガモンから独り立ちしたタケルの成長こそが、本編として描かれるものであったのかもしれない。残念ながら、そこまで辿り着くことはなかったのである。
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