ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年05月05日
 Young Modern

 驚いた。これがすごく、すっごく良いのだよ。バンドの来歴だけでスルーする向きもすくなくはないと思われるので、最初に言っておくと、ここには、モダンでハイファイな、なおかつ高品質なポップ・ソングが、とてもとてもたくさん詰まっている。ところによってはポンプ・ロック(死語かな)にも似た外連味さえ感じさせる。プログレッシヴな方向性ではなくて、あくまでもメロディアスな面において、ね。たとえば、IT BITESを脱退したフランシス・ダナリーが、そのソロ・キャリアには持ち込まなかった、つまりGENESIS的な要素のほうを、テクニックのかわりに今日的なテクノロジーの助力によって、受け継いでしまったかのような印象である。中心人物であるダニエル・ジョーンズの現在のルックスが、意外とフレディ・マーキュリーっぽさを感じさせるのは、伊達じゃない(のかもしれない)。オーストラリア出身のバンドであるけれども、どこかイギリス的なロマンティシズムを匂わせる。だいたい、十年一昔であったりするのだし、男子三日会わざれば刮目して見よ、であったりするならば、95年に15歳でデビューしたSILVERCHAIR(シルヴァーチェアー)がグランジ・チャイルドであったのは、もう遠い過去の話であろう。結果的に転換作となった99年のサード・アルバム『NEON BALLROOM』で、ピアニストのデヴィッド・ヘルフゴットとの共演により会得されたソフトなタッチは、02年の前作『DIORAMA』において、ヴァン・ダイク・パークスをオーケストラ・アレンジに招くというかたちに発展していった。ちなみに、その『DIORAMA』を手がけたプロデューサーが、ピーター・ガブリエルやKING CRIMSONや、近年ではTOOLやMUSEとの仕事で知られるデヴィッド・ボトリルであったのも、象徴的ではある。ヘヴィなギターによる鬱なグルーヴではなく、ある種の過剰さをもって、あざやかな色彩を回復させる。そのような路線をさらに充実させることに従事したのが、この通算五枚目となるフル・アルバム『YOUNG MODERN』なのだった。セカンド作『FREAK SHOW』と『NEON BALLROOM』で組んだニック・ローネイをふたたびプロデューサーに起用し、デヴィッド・ボトリルがミックスを担当、さらには今回もヴァン・ダイク・パークスがオーケストラ・アレンジに参加した、その内容は、最初に書いたとおり、ポップなサウンドとしては、豪勢かつ高級なものである。いや、むしろ、このリッチともいえるごてごてとしたアプローチが鼻につくといわれれば、それは指向性の問題なので仕方がないが、しかし、1曲目の「YOUNG MODERN STATION」で幕を開けたとたん、エレクトリカルな光線が、めくるめくほどにカラフルな虹を織り成す、その世界観は、ひととき瞬きを忘れさせる。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(07年)
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