ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年04月26日
 春がくるまで

 これはちょっと照れるな。単刀直入にいって、藤戸陽子の『春がくるまで』に並んでいるのは、どっかで見たことのあるような絵柄も含め、きわめて平準的な作品ばかりなのだが、その、いささか純情にすぎる登場人物たちのやり取りからは、ぼやけず印象に残るぐらいの、清新な雰囲気が漂っている。そして、たぶんそのことは、両想いを描いた表題作の「春がくるまで」や「ひとめぼれ」よりも、片想いがテーマである「花になる」や「Believe!!」のほうに、よおく現れているように思う。というのは、モノローグの所有が、女性側にあり、男性側にはない場合、ヒロインの内面が可視され、過剰に示されざるをえないわけだが、それが両想いであるとき、どうも相手を信じられていないかっこうになってしまう。そこで、細やかな心情の機微を、表現の必要上、うまく拾い切れれば良いのだけれども、残念ながら、それだけのレベルには達していない。しかし片想いであるならば、真っ正直な気持ちを、真っ正直なままに捉まえれば良く、現時点では、そうした点に作者の資質が生かされている、と感じた。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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