ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2014年06月11日
 SHONANセブン 01 (少年チャンピオン・コミックス)

 以前、『くろアゲハ』の項で述べたように『SHONANセブン』は『湘南純愛組!』の続編である。が、『湘南純愛組!』の続編としては主人公(の一人)である鬼塚英吉のその後を直接描いた『GTO』が既に存在している。これに対し、鬼塚たちよりも数世代下の不良少年を主人公に置くのが『SHONANセブン』であって、つまりは舞台や設定は『湘南純愛組!』と同じなのだけれども、時代とキャスティングが違う、という意味での続編になっている。

 ずばり、舞台は鬼塚たちが在籍したあの湘南辻堂高校だ。中学から上がったばかりの新入生たちがそこで「SHONANセブン」と呼ばれるトーナメント式のタイマン戦で最強を目指していくというストーリーがあり、新入生のなかでも一際目立っているのが主人公の黒髪一輝である。オリジナルの藤沢とおるは原作にとどまっていて、実際の作画は高橋伸輔が手がけている。高橋は、どちらかというと馬場康誌や本田真吾の系譜に連なるマンガ家なのだが、アクションと美少女を魅力的に描く、という点に関しては適任であるように思う。正直なところ、現時点では湘南辻堂高校が舞台になっていること以外に『湘南純愛組!』とのリンクをさほど感じさせない。ただし、謎めいた美少女が降って湧いたようなトラブルを主人公にもたらす(主人公の鉄腕ぶりがそれを解決していく)型のフォーマットは『湘南純愛組!』や『GTO』で確立されたものであろう。ユーモラスな日常とシリアスな抗争のコントラストは、絵柄の違いはともかく、確かに『湘南純愛組!』を彷彿とさせる。

 しかし、『湘南純愛組!』において「湘南」とは「ナンパ」をイメージさせる記号でもあったはずだ。が、『SHONANセブン』では、作中で「SHONANセブン」誕生の設定として語られている通り、不良少年と「暴力」のイメージを前に出すための象徴となっている。これが時代の違いによるものか。前作の終盤を踏まえたものか。単に藤沢の認識が変わったのか。今はまだ不明である。とはいえ、暴走族やケンカ上等の価値観が古くさくなりつつあったのが『湘南純愛組!』であったとすれば、その価値観の揺り戻しが『SHONANセブン』には起きている。このことは、むしろテーマのレベルでヤンキー・マンガ史を見ていくとき、注目せざるをえないポイントになるのかもしれない。
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