ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年04月14日
 マイガール 1 (1)

 佐原ミズの『マイガール』は、ものすごく簡単にいってしまうと、男手一つでの子育てもので、この手の作品は、古今東西、さまざまなマンガ家によってかなりの数描かれており、いま現在でも、宇仁田ゆみの『うさぎドロップ』あたりを似たような体のものとして挙げることはできるし、じつは同じ掲載誌である『週刊コミックバンチ』で連載がはじまったばかりの渡辺保裕『OUT PITCH』も意外とこのパターンなのだが、そうしたなかにあって、さて、このマンガの特色はどこいらへんにあるのか、といえば、正直なところ、1巻の段階では、絵柄も含め、やわらかな雰囲気に頼るばかりで、それ以上のものは引き出せていないかな、と思われる。それというのは、主人公の笠間マサムネが引き受けることになる幼い少女コハルは、なにかしらかの縁によって預かることになった他人の子供ではなく、まさしく彼自身の実子であるという点に、いまいち緊張感が欠けている(ように読める)ためではないか。もちろんそれは、血の繋がりがあるんだから、もうちょい深刻になれよ、ということではなくて、親と子ふたりの人生を大きく左右するはずの物語に、これといったヤマがなく、ただ、なし崩し的に進んでいるふうに見えてしまうのである。いや、突然、かつて愛した女性の死と自分に子供がいた事実を知らされ、最初は戸惑いながらも、しかし、ちゃんと受け入れるマサムネは良い人であり、親としての自覚が足りないとはいわない、それは伝わってくるのだが、描写のうちからは、ファンタジックな感触以外の、現実的な摩擦が、ほとんどすっぽりと抜けてしまっている。そこのところが、すこし気にかかるのだ。たとえば、山崎さやかが『東京家族』で捉まえた覚悟と責任の境地からすると、やはり、これはすこし甘すぎる。

 『ほしのこえ』(原作:新海誠)について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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