ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2013年10月17日
 ハイ・ライズ(DVD付)

 ストーン・テンプル・パイロッツ(STONE TEMPLE PILOTS)は、96年のサード・アルバム『ヴァチカン(Tiny Music... Songs from the Vatican Gift Shop)』こそが最高だと信じてやまない。初期のグランジを部分的に採用しながら、スタイルの発展と多様化を試みると同時に、ポップ・ソング、ポップ・ミュージックとしての訴求力をバツグンにしていて、うん、今耳にしても最高なんだよね。その後のハード・ロック路線も決しては悪くはないのだけれど、もしかしたらストーン・テンプル・パイロッツの音楽性は『ヴァチカン』の時点で既に極まっていたのかもしれないな、と思う。

 スコット・ウェイランドを除いたメンバー、ギターのディーンとベースのロバートのディレオ兄弟、ドラムのエリック・クレッツに関しては、トーク・ショウ(TALK SHOW)名義で97年にリリースされたアルバム『トーク・ショウ(TALK SHOW)』もなかなかの作品であった。スコットのロック・スター然としたアピールは、ストーン・テンプル・パイロッツにとって確かに重大なフックだったのだろうが、それ無しでも充分にやれる。バンドのグルーヴとソング・ライティングの内容は、バックの3人が揃ってさえいれば、きっちりキープできることを証明してしまったのだ。

 まあ、紆余曲折があり、ついにストーン・テンプル・パイロッツはスコットの解雇へと至る。かわりにヴォーカルとして迎えられたのは、リンキン・パーク(LINKIN PARK)のチェスター・ベニントンである。チェスターといえば、過去の来日公演でジェーンズ・アディクション(JANE'S ADDICTION)を弾き語りでカヴァーしたり、サイド・プロジェクトのデッド・バイ・サンライズ(DEAD BY SUNRISE)ではメジャー・スケールのグランジを展開したりと、90年代のアメリカン・オルタナティヴが自身の背骨であることを明らかにしているけれど、さてしかし、このビッグ・ネーム同士の合流は、いやはや、疑う余地もなく、相性はばっちりであろう。

 事実、その新体制によって作られたミニ・アルバム『ハイ・ライズ(HIGH RISE)』は、近年のハード・ロック路線を踏襲した上で、グルーヴやメロディには初期の頃のようなアクの強さが戻ってきており、何よりどの楽曲もコンパクトでキャッチーで、ベテランの貫禄を感じさせる以上のフレッシュさが表にきているのである。06年にディレオ兄弟がフィルター(FILTER)のリチャード・パトリックと組んだアーミー・オブ・エニワン(ARMY OF ANYONE)にはいくらか欠けていたフットワークの軽さとパンチとがここにはあるといってもいい。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2013)
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