ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年05月20日
 フルーツバスケット (17)

 シリアスな展開が続くので、だめだ、この巻は泣けてきてしまう。もしも運命というものがあるのだとすれば、それは、ときには希望の糸のようであり、ときには絶望の鎖のようであった。終盤に入ってきたのだろう物語は、ここでも、いくつかの秘密を明かす。けれども、あっと驚くのは、それが思いもかけない事実だからではなくて、いや、むしろこちらが想定していたとおりのものであるわけだが、しかし、切なさの破片がすべて、純粋すぎるがゆえに歪んだ愛情(想い)によって、それぞれ物語中に散らされていたことを知らされるからなのだった。言い換えれば、今後、愛情(想い)の名のもとに物語が収斂してゆくことを予感させる。ここらへんの展開は、僕にはやはり、みさき速のマンガ『特攻天女』を思い出させる。両者は表向きにはかなり違っているが、でも、全体の雰囲気のようなものはものすごく似通っている、そういう感じがする。なんだろう。信じられないかもしれないが、永遠(の愛)というものは、たしかにどこかにある。としても、それが幸福とは限らない場合、永遠を手放してしまうことは、いつだって可能だ。あるいは、その可能性を拒否することを指して、永遠と呼ぶのだろう。そのような意味で、誰もが永遠をつねに手のなかに握っている。そしてそこでは、善悪の判断よりも、ごく個人的な葛藤だけが、世界という像を形作るのである。

 第16巻についての文章→こちら
 第15巻についての文章→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | マンガ。
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フルーツバスケット /高屋奈月
Excerpt:  発売されたばかりの第17巻のお話。慊人(あきと)の意外な秘密や、透が落ち込んだときの花ちゃんの行動だったり、
Weblog: 水木ましわくの日記。
Tracked: 2005-05-20 11:48