ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年03月14日
 あかねSAL☆ 1 (1)

 これまでは過去にマンガ作品がテレビ・ドラマ化されるさい、その脚本を書く機会の多かった岡田惠和が、ここではじめてオリジナルのマンガ原作をつとめ、なかはら★ももたが絵を描く『あかねSAL☆』の主人公、田丸茜は、大学の友人たちが就職活動に勤しむなか、とくに目標もなく、その気にもなれず、これまでどおり中途半端に日々を過ごしていた。そんな彼女にも、過去にたったひとつ、真剣に取り組んだものがあった。サッカーである。しかし中学に 入って辞めてしまったそれも、今や懐かしい思い出でしかなく、あの頃がもしかすると自分の人生にとってピークだったのかもしれない、と思うだけだった。が、初恋の人であり、現在は芸能事務所でマネージャーをやっている相田翼と偶然再会し、彼が担当するアイドル・グループ、フロ☆フロのフットサル・コーチを頼まれたことから、ふたたびボールに情熱を傾けることとなる。こうしたアウトラインから明らかなように、ただの芸能界ものではなくて、そこにフットサルという要素が組み込まれている点に、目新しさがうかがえる。じっさい、プレイのシーンにはちょっと迫力が欠けるにしても、作品のなかで、フットサルに置かれている比重は大きく、それがなくては物語が回らないぐらいである。また、あくまでも一般人でしかない主人公と、オーラのあるアイドルたちとの対比も、いくつかの場面で、効果的なグラデーションになっており、アイドルの切ない恋心や、あるいは華やかさの裏に隠れてしまう挫折や孤独みたいところで、それぞれ一個のエピソードが成り立ちうる箇所にも、さらにワン・アクセント加わっている。この1巻を読むかぎり、主題となるべきは、アイドルたちの影でがんばる姿を目にし、じょじょに怠惰であった主人公が変わっていくことだろうが、いや、フロ☆フロのメンバーがまたみんな良い子でさあ、ひとりひとり夢が叶うといいですね、と、そちらにもあたたかい声援を送りたくなってしまう。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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