ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年03月04日
 ピコーン!
 
 IKKI COMPLEXに関しては、要するに、小説のコミカライズをおもに扱うレーベルという解釈でよろしいのかな。とまれ、そのIKKI COMPLEXよりリリースされた『ピコーン!』には、『月刊IKKI』04年8月号の付録だった「ピコーン!」に加え、やはり舞城王太郎の作品を青山景がマンガ化した「スクールアタック・シンドローム」が、描き下ろしで収められているのだが、「ピコーン!」がそうであったように、そちらもあまり成功しているとは言い難いというか、たんに活字に絵をつけただけの出来に止まってしまっているのが残念なところである。しかしながら、その結果、原作が語り手である父親の主観によって物語が駆動させられていたのとは異なり、他の登場人物たち、とくに息子の表情などがダイレクトに示されているため、内容を父と子の関係性一本のみに絞れば、ひじょうに捉まえ易くはなった。反面、それ以外の事象については、幾度となくリピートされる〈暴力は伝達される〉といったフレーズ、言葉そのものの持つ効果に頼りきってしまっていて、たとえば、そこにかかってくる血なまぐさい描写は、まあタッチを変えているのは意図的になのだろうけれども、そうして絵の部分により作中人物たちが生きる現実と乖離されてしまった暴力を、〈暴力は伝達される〉の一言で無理矢理に、意味ありげなものとして機能させるのは、技術的に拙い。と、ここまでいいながらも青山景のことは、けっして悪い作家だとは思わないのだが、これといって抜きん出た面も僅かしかなくて、今後の活動は、もしかするとポスト秋重学みたいな位置で小学館に使われていくことになるのかもしれない

 『SWWEEET-スウィート-』1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | マンガ(07年)
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ピコーン!舞城王太郎・青山景
Excerpt: コミックから文学へ新たなアプローチを試みる新レーベル「IKKI COMPLEX」新刊発売。舞城王太郎と俊英漫画家・青山景による、最先端最新鋭コミカ
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