ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年03月02日
 バンビ~ノ! 7 (7)

 ときおり料理マンガの類には、この国の現状を憂う声が入り込んでくるのだが、それってたぶん、料理を巧く作るためには一定のディシプリンが有されなければならない、といった思いなしが、無目的に流動化しているかのように見える今日を、相対的に捉まえ直すからなのではないか、と考えることができて、このマンガでも年輩の登場人物が〈アタシ達が作りたかったのはこんな国だったかね?〉と世を眺める一方で、料理人の主人公に〈あんな若者もいる!〉との期待をかけたりもする。せきやてつじの『バンビーノ!』7巻である。一流の料理人を目指し、上京してきた伴省吾だが、現在はまだホール(サーラ)で接客を学ぶ段階にあった。しかし彼をバンビと呼ぶ、上客である野上の態度は厳しく、自分が試されていることを知った伴は、なんとか認めてもらおうと奮闘するのだった。先ほど引いた、この国に対する悲観と希望は、そして伴に一応の信頼を置いた野上が発したものだ。ここの、いちウェイターがいかにして接客業務のみで相手を満足させるかといったくだりは、ああ、そういうふうに打開するわけね、多少の安易さを感じさせもするけれど、これまでのちょっと物足りない流れからすれば、十分なカタルシスを味わえる。そうして物語は、厨房(クチーナ)とホールの店員全部に参加資格のある秋の真メニュー品評会へと進むのだが、やっぱり、料理と直截に向かい合う展開になると、作品の燃え具合が違う。〈俺が料理人かどうか…俺の皿食ってから言って下さい。今の俺、コイツに全部込めちょりますけん…俺の皿、食って下さい!!〉と挑む伴を、見事な料理で〈テメーにこの皿を越える事が出来んのかよ!!〉と迎え撃つ先輩料理人の香取が、あの嫌味だった奴ですら、熱くてよいよ。

 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック