ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2013年03月22日
 デスルデス (ニチブンコミックス)

 ファンの立場からすると、やはり鈴木大(鈴木ダイ)の良さはヤンキー・マンガにはねえだろう、SFやファンタジーでアクションをやってくれよ、と思っていたのだった。が、そうした期待と近いラインの作品に『デスルデス』はなっているんじゃないか。冴えないタイプの少年と異世界からやってきた美少女によるラブコメのようであり、それとバトルをミックスしているようでもある。

 不運に見舞われてばかりのその少年は果たして本当にツイていないだけなのだろうか。いや、確かに三月漢太は日々散々な目に遭っている。それでもいつだって明るい笑顔でいられるのは持ち前のメンタルがポジティヴなおかげで、これを周囲の人間は単に客観性の低いプラス思考と見なしているのだけれど、実際にはもっと大きな運命の歯車が動き、それに左右されていたのである。なんと、漢太は死神に命を狙われていたのだ。本来は死ななければならない人間であった。だが、どれだけの災難をもたらされてもことごとく生き延びてきた。この意味においてはむしろツイている。誰よりも幸運だとしていい。なぜ漢太は死なないのか。彼を殺せなかったせいでエリートの地位を失った死神、ドルニエ=F=カルアは名誉を挽回すべく、人間界に参上する。是が非でも漢太の命を奪わなければならないのだ。それがいつの間にか漢太のペースに巻き込まれ、奇妙な同居生活を営むこととなっていく。

 1巻の中身を受け取るかぎり、『デスルデス』は今どきのライトなフィクションにおけるパターンを踏襲しているにすぎない。カップルの相克が終末論めいた物語の導入になっている点を含め、目新しさはほとんどないし、正直なところ、鈴木大がわざわざこれをやる必要もたぶんない。しかし、たとえ世界が無慈悲であろうとも正義を信じ、熱血的な振る舞いを照れ隠しにしない若者の姿は、初期の『BANG2』や『BANZAI』に通じるものであって、にわかにキャッチーであるような部分ではなく、そこに好意を持つ。

・その他鈴木大(鈴木ダイ)に関する文章
 『クローズLADIES』アンコールについて→こちら
 『クローズLADIES』について→こちら
 『春道』1巻(キャラクター協力・高橋ヒロシ)について→こちら
 『ドロップ』(原作・品川ヒロシ、キャラクターデザイン・高橋ヒロシ)
  7巻について→こちら
  5巻について→こちら
  1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(2013)
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