ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年02月27日
 やっぱり、柳内大樹の『ギャングキング』は、単発のエピソードだな。吉田聡の亜流というか下町人情的なアレンジでしょう、と言われれば、そのとおりなのだが、ちょっとしたいい話をオチのあるワン・エピソードにまとめるのがいかに難儀なことであるかを知りたかったら、それこそマンガ史を振り返ってごらんというやつである。しかしながら、長尺のエピソードは、ぜんぜん駄目だ。この駄目さ加減を知りたかったら、それもまたマンガ史を振り返ってごらんというやつなんだろう。方向性の違いから、ジミーと決別したゾンビの新生ジャームは、ピンコ率いるジャスティスとの結着を急ぐあまり、他のチームとの衝突を繰り返し、無理矢理にメンバーを増やそうとする。その暴走を見かねたキャンディは、ゾンビと行動をともにするのであったが、その一方で、ジャスティス傘下のなかでもとくに凶悪であることで知られるトラッシュが、ジャーム潰しのために動きはじめていた。こうしてストーリーを拾いながら、いやあ改めてすごいネーミング・センスだね、と思うのだけれど、それはさておき。はっきり言って、登場人物たちを動かすモチベーションに(以前はあったように感じられた)一定の基準がなく、場面場面によって言動が揺らいでしまうので、何をどうしたいのかよくわからない。ところどころに良いシーンは良いシーンで存在しているにもかかわらず、それらにしても取って付けたような印象が強いため、説得力を欠く。だいたい、トラッシュの非道なやり口に、ぼろ雑巾みたくされたゾンビとキャンディの姿を見たジミーは如何なる行動をとるのか、で次巻へと持ち越されたわけだが、そこでまた、うだうだと悩むのをリプライズするようだったら、最初からケンカなんてするべきではないし、不良なんてやめてしまえよ、の一言で収まってしまうところで、これはたぶんテレビ・ドラマ版『池袋ウェストゲートパーク』の最終回以降に、どうヤンキーの物語が展開されるべきかに面した問題なのだ、が、はたしてどう転がす。

 8巻について→こちら
 7巻について→こちら
 6巻について→こちら
 4巻について→こちら
 3巻について→こちら

・『ドリームキング』に関する文章
 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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