ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年02月26日
 乱飛乱外 3 (3)

 滅亡した武家の末裔である雷蔵の、逆玉の輿を目指す旅は続く。田中ほさなの『乱飛乱外』だが、この、武芸の里である柳生国での立ち回りを主に収録した3巻に入り、さらにおもしろさを増したので、ちょっとびっくりした。脆弱な男性主人公が、逞しい(ついでに可愛い)複数の女性にフォローされつつ、成長するといった体のマンガは、珍しくも何ともないわけだけれど、そうしたパターンのなかにあって、これは頭ひとつ出たハイ・レベルさ加減ではないだろうか。その原動力は、これまではナイーヴさ余って受動的すぎる嫌いのあった雷蔵が、ここにきて隠切の太刀というアイテムを手に入れたことで、バトルのさいに、なかなかのアクションを見せるようになったことにある。このことによって、作中における主人公の位置が、きっちりと定まった。より正確を期していえば、ヒロインたちの道連れでしかなかったような立場から、自立的に活躍のできるクラスへと上がったのである。じっさい柳生国でのイベントにおいて、ヒロインたちは完全にワキへと回らされている。もちろん、そうしたシフトのチェンジは、今回のエピソードにかぎってのことかもしれないにしても、まあ、メインの登場人物のひとりがひとつ見せ場を持っていると考えるのであれば、そこにもうひとつ見せ場が増えたということでもあるのだから、今後への期待に添えてしまってもいい。それにしても、だ。すぱすぱと人が斬り殺されるのを、これほどまで、いっさいの屈託もなしに描いているのには、どひゃあ、と思わされもするのだけど、時代劇ふうの背景に殺伐としたものがあるのを踏まえると、あんがい作者は狙ってそうしているんだろうね、という気もする。

 2巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | マンガ(07年)
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乱飛乱外3巻
Excerpt: 相楽国のひばり姫といい仲になりそうであったのに、雷蔵はその幸せに慣れておらず、終いには逃亡してしまう。
Weblog: 日常・非日常日記
Tracked: 2007-02-28 05:27