
『ネヴァーマインド』アルバムのレコーディング状況を再現するブッチ・ヴィックの話がとてもおもしろい。眼鏡の奴のいかにも批評家的な歌詞分析はウザい。いやあ、クリス・ノヴォゼリックはもう完全なおっさんですぜ。といった内容である。冗談半分、本気半分で。じっさいにブッチのインタビュー・パートがいちばんの見所であると思う。かなり興味深い。ヴォーカルをダブル・トラックにするのを嫌がるカート・コバーンに「ジョン・レノンもやっていたことだ」と説得したなんていう当事者ならではのエピソードなどには、へえ、といちいち感心してしまうのであった。こうして見ると『ネヴァーマインド』という作品は、たしかにカートひとりの手によって作られたものではないけれども、しかし、すべての作業がカートの才能に奉仕するのようにして働いていたという、逆説的な事実がまざまざと浮かび上がってくるようだ。あとは、ビデオ・クリップ集が出れば、ニルヴァーナに関する資料は、だいたい揃う感じか。
