ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2013年03月04日
 Anthems

 ギターとヴォーカルの2名からなるユニットに、思わずイギリスのB'zと形容したくなるのだったが、いやいや、それもあながち的を外してはいまいよ。PURE LOVEのファースト・アルバムである『ANTHEMS』には、実に堂々としたハード・ロックが盛り沢山に詰まっているのだ。無論、そのハード・ロックは日本のものともアメリカのものとも性質が異なる。イギリスの、つまりはブリティッシュ・ハード・ロックにほかならない。とはいえ、THE ANSWERのブルージーな濃さともTHE DARKNESSのキャッチーな明るさとも系統が違う。強いて述べるなら、SHARKS(not THE SHARKS)のパンク・ロックをハード・ロックに置き換えたかのような印象がある。ポップで親しみやすいメロディをアグレッシヴに力強く響かせているのである。

 ヴォーカルのフランク・カーターはGALLOWSの初代ヴォーカルであって、ギターのジム・キャロルはTHE HOPE CONSPIRACYに関わっていた。双方、ごりごりのハードコアを出自にしていながら、PURE LOVEで展開しているのが、先にいった通り、実に堂々としたハード・ロックなのはおもしろい。レンジを絞らず、マスをターゲットにしたかのようなアプローチの紛れもないサウンドが、おそらくは『ANTHEMS』という大胆なタイトルへ通じているのだろう。奇をてらうのではなく、ストレートなソング・ライティングを経て、シンプルに削り出されたフックが、個々の楽曲をくっきりさせている。

 先行してリリースされていたシングルは当然全部入っているけれど、PURE LOVEのデビューを知らしめた「BURY ME BONES」は、やはりパワフルでいて、かっこいいね。フランクのヴォーカルには、個性と呼ぶに相応しいアピールがある。男の色気がある。それがメロディの抑揚に従い、扇情的なムードを作り上げていく。雄々しいコーラス、そしてジムのギターは、まあ確かに派手じゃないし、やたらテクニカルなソロが飛び出すわけでもないのだが、ソリッドなリフを十分ソリッドに弾き、しなやかフレーズをとてもしなやかに弾きこなし、コマーシャルな楽曲を非常に熱っぽく、ストイックな印象に引き締めているのである。その他のナンバーも充実している。ヴァラエティに富んでいるといってもいい。

 前半にアーティストの方向性のよく出た楽曲が並んでいるのはもちろんのこと、後半になってもクオリティは落ちず、8曲目のスロー・バラード「BURNING LOVE」で一息ついたかと思いきや、再びギアをドライヴに入れ、ラストまでエネルギーを尽きさせない構成からは、このユニットの地力がうかがえる。ポテンシャルの高さが、失速のない構成を可能にしているのである。また、イギリスのバンドでいえば、TERRORVISIONやCATHERINE WHEEL、FEEDER、最近ではMAXIMO PARKやTWIN ATLANTIC、PULLED APART BY HORSESなどを手掛けてきたジル・ノートンのプロデュースが、モダンであることと同義となるようなエッジを際立たせていて、作品の佇まいは非常にシャープだ。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2013)
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