
藍と元彼女が抱き合う場面に遭遇してしまった紗和の、その乙女心はこれまでにないぐらい、てんやわんやになるのだった。と、ここだぞ、ここがたぶんこのマンガの山場だぞ、といった展開の、酒井まゆ『ロッキン★ヘブン』の3巻なのだけれど、そこから先の話の持っていかれ方が、良く言えば王道、悪く言えば定型でしかないような、そういう少女マンガのパターンに入ったきりになってしまうので、すこしばかり鼻白む。換言すると、この登場人物たちでなければならない、この物語でなければならない、という必然性を強く感じられなかったのである。そのことは、紗和と晶とのあいだで友情が明言されるエピソードに関しても同様で、いや、いい話ではある、いい話ではあるのだが、晶のコンプレックス・パーソンぶりもまた、ステレオ・タイプに過ぎるあまり、底が浅く、結局のところスネているだけ以上の表現となっていない。そのため物語の要である、登場人物たちの、あかるい積極性が、ここではやや魅力を欠いてしまっている。
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