ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年02月14日
 『新潮』3月号掲載の短篇。今やすっかりECDの書くものは、良くも悪くも、いや悪くものほうがやや強く、日本の私小説然としていて、その、情けなく、だらしなく、冴えない成人男性の有り様は、今日では西村賢太の作風にも通じるところがあるのだけれど、そういえば、坪内祐三は西村の著書の帯にもECDの著書の帯にも登場していたりするので、こういうのが本質的に好きな人なのかもしれないな、と、それはさておき、この『口実』もおそらくは作者自身の体験をベースにした挿話であり、話しの筋はなんてこともない。二十歳を過ぎながら、ろくに働きもせず、両親に寄生し、万引きや置き引きをして小遣いを稼ぐ〈僕〉が、警察に捕まったり、捕まらなかったり、といった程度のことが綴られており、まさしく口実だけを頼りによろめく存在などを指して、リアルだとかエモーショナルだとかいったりするぐらいのことは可能かもしれない。が、正直、不良青年のレポート以上の域は出ておらず、この手のスタイルやパターンにおいての構成や語り口に、はっとさせられる点もないので、いささか凡庸な作品だとすら思える。

 『ECDIARY』について→こちら
 『失点イン・ザ・パーク』について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(07年)
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