ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年02月10日
 野球しようぜ! 7 (7)

 2点リードで迎えた9回の裏、〈2アウト一塁二塁 一発が出れば逆転サヨナラ!!!〉の局面を、指に負傷を抱えたカイオと、それを気にかける天のバッテリーは、はたして乗り切ることができるのだろうか。いわさわ正泰『野球しようぜ!』の7巻であるが、結果をばらしてしまえば、乗り切った。天の、天才的とも奇跡的ともいえる抜群の働きが、ほとんど実際的にはあり得ないファイン・プレイを可能とした。かくして日横商工をくだした鷹津高野球部は、そのままの勢いで順調に県大会を勝ち抜き、天にとっての宿命のライバル国東がいる西京高校と、ついに決勝戦で相まみえることとなるのだった、と。ところで、いま現在、世間でもっとも評判をとっている野球マンガは、おそらく、ひぐちアサの『おおきく振りかぶって』ではないだろうか。たしかにあれはあれで、すばらしくおもしろくあるのだけれども、個人的には、いやたぶん作者の登場人物たちに対する愛着からそうなっているのだろうが、一試合の運びをあそこまで拾われると、まあそのことが表現力を高めているのは認めるにしても、たとえば、ちばあきおの『キャプテン』や『プレイボール』とか、あだち充の『タッチ』や『H2』の、細部においては切り捨てる箇所は切り捨てながらも、一試合内の論理的な整合性を(後付けの部分も込みで)ちゃんとキープし、ダイナミズムに焦点を合わせ展開させる技術に親しんだ身にすると、少々怠いというのも正直なところで、逆に、この『野球しようぜ!』や、佐野隆の『打撃王 凜』ぐらい、すぱっとカタルシスを催す指向に振り切れていてくれたほうが、いち場面いち場面の描写に、熱中できる。というか、この巻の、そんな伏線あったかあ、というほどの勢いで、いきなりカイオと国東の因縁が明かされるくだりには、びっくりさせられたが、そういう唐突さも含めて、感情の高ぶったまま物語が接がれている。あ、それから、あれだけ天と野球を嫌っていた義母の、少しずつ歩み寄る様子には、しみじみさせられた。

 6巻について→こちら
 5巻について→こちら
 4巻について→こちら
 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック