ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年02月09日
 小川とゆかいな斎藤たち 1 (1)

 〈あのころはパシリにされてうつむいてばかりいた そんなわたしを救ってくれたのは「恐怖の三人衆」とよばれる(超)問題児たちでした――…〉と、中学二年になってもクラスメイトからはコケにされ、いじめられていた小川里生は、その悪名を学校中に響かせる三人の、斎藤という同性ではあるが赤の他人でもある男子たちと、偶然にも知り合い、そうして全然ベクトルは違うけれども、「友だち」がいないといった点においてはまったくの同士と見なされたことから、彼らと親しく付き合うこととなる。茶匡の『小川とゆかいな斎藤たち』は、これが作者にとっては初の連載作であり、まだ1巻だということもあって、けっして巧い部類に入る作品ではないけれど、まあ『なかよし』系のマンガをこう評するのは間違っているかもしれないが、燃えるし、ガッツが出てくる。その理由はおそらく、メインの登場人物らが誰も、周囲からは好かれてはいないのに、めげず、明るさを捨てないで、学校生活を営む姿に、心を動かされるからなのではないか、という気がする。ふつう、この手の内容だったら、三人の斎藤のうちのいずれか、または全員を、良い意味での権力者か、カリスマであるがゆえに一目置かれている、といったふうに設定することも可能だったように思う。だが、ここでは皆がみな嫌われ者でしかない。そのため同級生などに陰湿な罠を仕掛けられ、そのたび窮地に立たされてしまう。ひどい目といえば、ひどい目だ。しかし、これが暗い話になっていかないのは、たんにコメディの要素が入っているからだけではなくて、小川と三人の斎藤の、お互いがお互いにお互いを信頼し助け合う姿は、とても微笑ましく、読み手の関心を、そちらへと惹きつけられるぐらい、愉快に、楽しげであるから他ならない。〈楽しいコトも苦しいコトもどんななやみがあってもだいじょうぶ!! 勇気をくれる人たちがそばにいるから〉と、こうした台詞を、陳腐に貶めず、シンプルなメッセージとしてまっすぐに放ってくる。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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