ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年02月01日
 森恒二『ホーリーランド』14巻である。たんなる坊ちゃんであったイザワが、いかにして“路上のカリスマ”になっていったかを、前巻の続きで描いているわけだが、このへんはまあ、皆さんお馴染みソノ手の自分探し劇場でしかなく、正直、盛り上がりに乏しいのだけれども、イザワの妹マイが視る夢のなかで、過去のイザワにユウの姿がオーヴァーラップさせられるなど、この作品の主題と、しかし深く関わる箇所となっている。シンイチの〈毎度の事ながらわかんねえよ どーしてあんなにこだわるのかね? 強えーとか弱えーとか…わかんえねえ…〉という言葉に対して、ユウは〈僕には…わかる それは心にかけられた呪いみたいなモノだ〉と思う。やはりこの〈心にかけられた呪いみたいなモノ〉のせいで、過去に発せられたイザワの〈逃げられないぞオレ自身からは一生〉という自問が、2年後にマイを経由することによって、〈僕はもう自分を嫌うのをやめよう〉というユウの自答へと繋がるとき、それはつまり、孤独であることや虚無であることに、いったんの結着がつけられたことを意味する。と、そうしてストーリーのレベルでいえば、次の段階へと展開させられることになるのが必然で、あきらかに悪党じみた連中が、さあ来たといった感じで続々と登場するなか、今後に脱法ドラッグをめぐる抗争の起こることを予感させるわけだが、このマンガを暴力のともなうモラトリアムの物語として見るならば、はたして山本隆一郎が『GOLD』で描いたあの大団円以上の成果を、作者は結末までに導き出すことができるだろうか。

 12巻について→こちら
 11巻について→こちら
 10巻について→こちら
  9巻について→こちら
  8巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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