
やっぱり、これはひとつ、チェックしといたほうがいいよ、って。このイギリス出身の5人組が奏でているのは、たとえばスマッシング・パンプキンズがディストーション・サイドで、持ちうるポテンシャルをぜんぶ、ズザンズザンとした歪み轟く音圧に費やし、ギター・ロックの臨界を目指していたのを思い出させるような、超高度のクライマックスなのである。ベースになっているのはなんだろう、エモやガレージといった00年代以降のエレメントは使われている、メタルやコア(ハードコア)はない、たぶんモグワイやシガー・ロスあたりからの影響は強い。そのような混然一体のフォーマットが、まるでゴーストのように亜空間を漂い、その渦中で、事故か必然か、ポップ・ソングという実体を手に入れてしまった。若い衝動をとにかく撒き散らす1曲目、その勢いに朗々とした歌メロと大きく跳ねるダイナミズムを接いでいく2曲目や3曲目、4曲目と5曲目のなかに渦巻く濃密度のヘヴィ・グルーヴ、それを反転させ、静寂の荒野と極寒の暗黒に光が降り注ぐのをスローなテンポで演出するその後の展開、終盤ではふたたび生命の激しさが湛えられている。振り幅はなかなか大きいが、しかし、すべてが同じベクトルで出力されているため、散漫な様子はいっさいない。デビュー・フル作にしては、ややコントロールされすぎの嫌いはあるけれども、そのことが逆にバンドの実力を裏打ちしている、過剰なほどの創作意欲を見せつけているみたいだ。正直、先行シングルの段階では訝しげなところもあったのだが、いやあ、やだねえ、期待以上のものが出来上がってきたよ、と。ああ、まちがいなく僕はこれを支持する者であった。
『ALL ROADS TO FAULT』EPについての文章は→こちら
『RAPT.DEPT.』EPについての文章は→こちら
