ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年01月22日
 メトロ・サヴァイブ 2 (2)

 全2巻で完結というかたちになった藤澤勇希の『メトロ・サヴァイブ』であるが、この長さ(短さ)が作者の望んだものであるのかどうかはわからないけれど、結局のところ、ラスト間近の〈我々はやはりロビンソンクルーソー 見事に取り残されていたというワケだ――〉というモノローグが示唆的なように、物語の進行につれ、日常と地続きの空間におけるサヴァイバルが、日常とは完全に区切られた空間内でのサヴァイバルにスライドしていった結果、サスペンスの要素が後退し、当初の息詰まる緊張が損なわれてしまった、との印象に落ち着く。大地震が発生したことにより、地下に閉じ込められた生存者たちの、地上への生還を試みるストーリーは、やがて少ない食料をめぐっての心理戦から、ついには直截的な暴力の劇へと転換している。このことで、マンガ内の構図が、いささか単純化されたきらいがある。悪人は自滅し、善人が生き残るエンディングは、まあ良心的といえばそうであるけれども、ある一点(正確には二点)での機転以外は、ほとんどラッキーでしかなく、そのへんに、いや、ま、これはこれで十分な内容だと思いながらも、ちょっと、物足りなさを覚えた。

 1巻について→こちら

 『エレル』全2巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック