ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年04月26日
 ご存じな方はご存じなように、僕の90年代に対する執着は、まあわりと強い。けれども、それはべつに、ロング・リヴ・90年とかじゃなくて、それ以前のディケイドを道連れに死んだはずの90年代が、今もあちこちで亡霊のように歩いている、それが堪らなく見苦しいのだ。あと数年経って、たとえば現在の80年代論=自分語りみたいな感じで、90年代を語る阿呆が出てきたら、ゲンナリしてしまう。何とかして90年代をいっかいちゃんと殺さなければならない。でもって、ヒントはこのマンガである。
 
 主人公スバルの友人であるスーがやっているバンドの名前はブリードで、それはニルヴァーナのナンバーからとられている。そのあたりにこのマンガの本質は隠されているような気がしてならない。ジャスト90年代のヤンキー・マンガ『特攻の拓』でも、天羽がニルヴァーナをプレイしていたような記憶があるけれども、あれはルックス的にはビジュアル系であり、またエクストリームなどと並奏されるような、まさにリアルタイムであるがゆえの余技であったわけだが、ここでニルヴァーナが選ばれていることには、不良=ロックというステレオタイプな造形をすこし脱する、そういう気配が含まれている。じっさいにスーは、あまりヤンキー的な行事には参加しない。

 さて。登場人物のほとんどは90年代以降のネガティヴさを負っている。そのことに対してどのような突破口を見いだすか。この巻のキーパーソンは、ここまでの伏線を引っ張ってきた悪徳警官、星だろう。星の圧倒的な救いのなさは、それほど重要なファクターではないようであったが、しかし、最後の最後にひっくり返っている。その重みは、スバルの宿命の敵、十雲へと、十雲がそれを拒むような形で、引き継がれる。闇は、さらに深く、濁る。このことを00年代の風景に当てはめることは、おそらく可能である。だから今後、スバルがどのようにして、十雲と対峙するのか、あるいは彼を地獄からすくい上げるのか、その展開に目が離せないのだった。

 10巻について→こちら
 11巻について→こちら
posted by もりた | Comment(4) | TrackBack(0) | マンガ。
この記事へのコメント
最高だ。4649
Posted by uio at 2007年06月02日 12:33
うちゅういちのまんがだ。
Posted by ゴールド魂 at 2007年06月21日 21:50
> uioさん
> ゴールド魂さん
どもども、コメントありがとうございます。
『GOLD』がもっと広く読まれるような世のなかになって欲しいものですね。作品は終了しましたが、これからもばんばんプッシュしていきたいです。
Posted by もりた at 2007年06月22日 17:33
もりたさん頑張りましょうね。
応援しています。
僕はゴールドを広める為に
色んな人にゴールドを教えています。
お互い頑張りましょうね。
最後にゴールドをまた読み返したら
また感動して涙を流してしまいました。
Posted by ゴールド魂 at 2007年08月29日 19:27
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