ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年01月15日
 オレの子ですか? 5 (5)

 くりた陸『オレの子ですか?』が、この5巻で完結した。主人公は潤という大学生で、その彼が過去に関係を持った女性から預けられた幼児の扱いに右往左往するといった内容は、明瞭に「育児もの」と分類できるが、いわゆるハウ・トゥの要素はなくて、あくまでも子育てをベースにした感情のドラマになっており、そうした系においては、幼児の存在は、ある意味で、他の登場人物たちの成長を促さんとする装置になるわけだが、そのことはもちろん、このマンガについても同様で、スミレという2歳児を中心にして起こる様々なハプニングが、いかに潤の人格に変化を及ぼしたか、また彼らの営みが、どのような影響を周囲の人びとに与えたのか、が、作品のおおよそを担っている。女性にだらしなく、他人に対する配慮のなかった人間が、子育てを通じ、相応の責任感を身につけるまでの過程といってしまえば、そのとおりだけれど、終盤、はたしてスミレは本当に潤の子なのか、に焦点が当てられてからのくだりには、けっこうしみじみとさせられた。それというのは、潤を含め、スミレの将来に関わる人物たちの、飾り気のない心の動きがしっかりと捉まえられているからで、反対に(おそらくは収束点として用意されたのだろう)ラストの一山は、そうした流れにあまり沿っていないうえに、ふと羅川真里茂の『赤ちゃんと僕』を思い浮かべてしまったりもしたので、やや集中力を削ぐ。そのような部分も含め、あきらかに作者の都合にあわせ展開させられている場面も少なくはなく、いくつかの箇所は、現実的に考えれば、ややライトに描きすぎのきらいがあるのだが、いやいや、それでも総体的には、とても愉しく読んだ。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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