ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年04月22日
 この巻でもっとも燃えるセリフは、これだろう。
 
 電光の――星々よ
 オレの小宇宙(コスモ)の全てを――くれてやる
 オレの命の焔を吸い取って
 暗黒を切り裂く 輝ける星となれ
 人の力が 神の造る未来を超えられるという――証を見せろ
 運命(さだめ)に牙を突き立てろ!!!
 (by アイオリア)
  
 でもって、それと対になるような終盤のこれも熱い。

 オレは過去の英雄を尊敬し
 古き歴史を誇りに思っている
 だからこそ過ぎ去った者達に
 敬意を払いオレ達は今を生きる――
 そして、今を生きる若い世代が新たな時代を造ると信じているからこそ
 闘う為に前に踏み出す!!!
(by ミロ)
 
 やあ、かっこいいな。原作者公認の二次創作であるようなマンガだけれども、こういったセリフ回しのヒートぶりは、完全にオリジナルを越えていると思う。穿った見方をすれば、頭が悪いともいえるが、うるせえ、お前は勝手に冷めてろ、ってな勢いである。

 強大な力、それはそのまま物質的な圧力でもある、への抗体としての精神力、あるいは高潔な魂の主張は、オリジナルに通じるものである。しかし、中盤で教皇とデスマスクの間で交わされるような「正義」についての対話などは、やはり、時代が一回りしたからこそ発生したものであるだろう。公理に背く個人の欲望(事情)が、それなりの説得力を獲得している。ここらへんが、このヴァージョンの肝であるように思う。

 たとえばオリジナルでは、窮地に立たされた主人公たちはほとんど根拠のないパワーアップによって、それを乗り切るわけだけれども、じつは彼らが「正義」の側に立っているというのが、当時はパワーアップの根拠として機能していた。けれども、今それをやるとネタになってしまう側面がある。というのも、「正義」って何かね? 的に、その概念自体がもう定義できないところまで、人間の意識はいっちゃてるから。

 で、そこいらへんの複雑な構図を、個人の欲望(事情)VS個人の欲望(事情)というシンプルな対立にまで還元して、そこからどこまでブレイクスルーできるかっていうのが、このマンガの中核であるような気がする。物語の着地点として、アイオリアがどれだけ頑張っても教皇を倒すことがないというのは、これがオリジナルのプロローグ的なものである以上、すでに決まっちゃっていることなので。

 5巻についての文章は→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | マンガ。
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