ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年01月06日
 ロック・コミック

 『COMIC IS DEAD』と『ワルの漫画術』に続く、島田一志のマンガ批評の表紙は、もちろん浅田弘幸で、『ROCK COMIC(ロック・コミック)』なる表題からわかるとおり、ここで扱われているのは「ロック漫画」というジャンルの限定されたものなのだが、いちおう、その「ロック漫画」とは何か、といった定義はされてはいるものの、「序」の文に〈自伝のような本〉とあるように、あくまでも書き手である島田の指向性を強く出したものであり、正直にいえば、考察や資料としての価値は低い。そもそも、ここでいわれている「ロック」のイメージ自体が、パンク(にハードコアを少々とニュー・ウェイヴを少々)といった範疇に収まるものであろう。むしろ、驚くほどに詳細なロング・インタビューを行っている上條淳士または『TO-Y』についての、副読本的な意味合いが大きい。さて。自分語りには自分語りで抗してみようという気にもなるわけだが、ここで取り上げられておらず、『TO-Y』以降にロックを扱ったマンガということであれば、どちらかというと僕自身がハード・ロックやヘヴィ・メタル寄りのサウンドが好みなので、どうしても笠原倫『唇にパンク』(「ボーイズ・ビー・シド・ヴィシャス」なのだけれども、楽器対決の描写は、じつにメタル的である)や岩田康照『MAD JAM』などに愛着があり、みやすのんき『ヘビメタ甲子園』や蛭田達也『コータローまかりとおる!』のバンド編でスティーヴ・ヴァイって凄いんだな、と思わされた記憶を持つし、また島田は、90年代に触れた項(P30-31)で〈そして、この時代、忘れてはならないのが、田島昭宇と浅田弘幸のブレイクだろう。今のところ彼らには直球勝負の「ロック漫画」はないが〉と書いているけれど、当時は彼らとも交流があり、先だってブレイクした萩原一至がやはりメタル・リスナーであったことのほうに関心は高く、そういえば、まつもと泉『せさみすとりーと』の主人公もバンドをやっていたっけなあ、と、さっき思い出した。とはいえ、個人的に執着している作品を一個挙げるとなると、間部正志の『ノーホシTHEルーザー』になるか、やはり。いや、ほんとうに僕は『ノーホシTHEルーザー』が好きで、その後に作者が音楽雑誌の『クッキーシーン』でサブカル寄りの作風を披露したさい、ソフト・ロックを聴き出すと感性までも柔になることを思い知らされた。だから、たしかリッチー・ブラックモアを好きだという山下和美や高橋ツトムは、もうそれだけで、その人間性が作風に現れていると感じられるよ。

 『ワルの漫画術』について→こちら
 『COMIC IS DEAD』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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