ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年12月27日
 覇-LORD 7 (7)

 ついに董卓討伐の勅命がくだされる、この“超”[三国志]と銘打たれた『覇‐LORD‐』の7巻では、趙雲とは違う女としての在り方で、乱世を戦う貂蝉の登場が、大きくスペースをとっている。ここでの貂蝉は、悲痛な覚悟を持った若き売春婦といった独自の設定で、そういう女性の復讐者というのは、武論尊・池上遼一コンビの作品にしてみると、けっして珍しくはない造型だといえよう。関羽、呂布、董卓を渡り歩く、いわばファム・ファタルの体であるけれども、その価値を三者が異なった部分に見ていることで、おそらくは彼女の彫りを深くしており、並行して董卓の過去を描き、彼にも人間らしさを与えようとしているのだが、しかし、ここのくだりを、すこし退屈に感じられるのは、やはり、このマンガにおいて、もっとも魅力的な人物なのは呂布であるがゆえに、と僕は言うわけだ(この巻の表紙も呂布だしね)。いや、まちがいなく呂布が姿を現したとたん、その場面は、緊迫に満ち、引き締まる。というのは、もちろん奴の姿形がかっこうよく描かれているのもあるのだが、それ以上に、その行動が何よりも予測不可能だという点が大きい。貂蝉の素性が『三国志演義』的なものから変更されている以上、いったいどのようにして呂布が董卓を殺害するに至るのか、この段階では、彼らふたりが漢と漢の語らいをしているだけに、絶対にせこい理由にはならないだろう、と思えば、この中弛みからでも燃える展開を期待したくなる。

 6巻について→こちら
 5巻について→こちら
 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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