ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年12月18日
 このマンガを読め! (2007)

 このムックを取り上げるさい、毎年いっていることだが、どうして上から物を言うふうなんだよ、趣味のことで人に指図されるのは好きではねえのです、何をえらそうに、というわけで『このマンガを読め!2007』なのだが、2位に入っている『舞姫 テレプシコーラ』の評をつらつら見るに、あくまでも今年の10月までの作品が対象になるということもあり、結局のところ、これは衝撃的な展開を経た直後に、10月売りの『ダ・ヴィンチ』誌で第一部が完結したというタイミングの要素が大きいのかなあ、と思えなくもなく、たとえば『皇国の守護者』なども、展開の冴えわたった最新の4巻が、あと一月出るのが早ければ、もうちょい上位に入っていたのではないか、とか考えてしまう。まあ、逆に『舞姫 テレプシコーラ』は連載の段階で読まれているのに対して、『皇国の守護者』は単行本のほうで多く読まれているということなのかもしれない、が。4位の『群青学舎』は、恒例の「年末回顧座談会」で、いしかわじゅんが〈でも、これからうまくなるかもしれないけど、いまこの時点で、作品の評価としてはそれほどでもないんじゃないかな〉といっているのに個人的には同意で、そのおもしろさは十分に認めるが、相対的な評価になると、この位置は、やや高めである気がする。6位の『鈴木先生』に関しては、『このマンガがすごい!』のオトコ版でも上位であったが、いや、たしかに優れた内容なのは間違いないにしても、この意外性のなさを、作品の内包する普遍性と受けとめるべきかは悩む。さて、このムックの唯一のといってもいい読みどころは、先ほども触れた「年末回顧座談会」なのだけれど、少年誌の売り上げが低下しているという話題のなかで、中野晴行の〈少年誌の販売金額の落ち込みがマンガ誌全体の落ち込みの七割を占めているからきついんですよ〉と、それで〈「マガジン」だと、ふたつ大きな山があるんですよ。十代と、もうひとつは三十代の、「GTO」とかを読んで育った山。これをはずせないから、いまは少年誌の読者年齢を下げられなくなっている〉という発言が興味深いのは、要するに、十代の読者に対しては、とにかく金を落とさせるメディアミックス可能なコンテンツたるマンガをつくらなければならないし、そこに特化してしまうと団塊ジュニアあたりの読者がついてこなくなってしまう、中野によれば〈百万部を切ったと言われて〉いるらしい『週間少年サンデー』は、それで失敗してしまったのかなあ、やっぱり、と思うからなのだが、ところで今の『週刊少年マガジン』で三十代が愉しめるマンガってどれだろ、あ、もしかすると朝基まさしあたりが、その線を担っているから重宝されているのかしら。
 
 『このマンガを読め!2006』についての文章→こちら
 『このマンガを読め!2005』についての文章→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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