ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年04月10日
 Hell.jpg

 エクストリームなほどにキレているわけじゃなく、制御不能な衝動を振り回しているわけでもない、にもかかわらず、性急なエネルギーに後押しされているかのように聴こえるサウンドを、エモーショナル以外のどんな言葉で言い当てることができるだろうか。イギリス出身であるヘル・イズ・フォー・ヒーローズ、彼らはこのセカンド・アルバムで、アメリカの同世代のバンドが、エモーションを様式化し、わかりやすい流通に乗せるのとは違う、変幻自在の躍動感が、そのまま感情のウェーヴを成しえているかのような、そういうサウンドをやっている。もちろん、それは前作の延長線上にあるものだ。が、しかし、そこからさらにスキル・アップ、ステップ・アップしている。基本的な作りは、声を張り上げたヴォーカルがメロディアスなラインを復唱し、力強い演奏がミドル・テンポをキープし続ける、それによってグルーヴが発生するというもので、アルバムを占める楽曲ヴァリエーションのすくなさは、もしかしたら一本調子と受け取られてしまうかもしれない、が、しかし、どうだろう、場面場面随所随所に設けられた起伏が、退屈さを見事蹴飛ばしている。2本のギターが絡み合う姿がうつくしい。強烈なリフがフックとなるのではなく、しゃららんと柔らかく鳴らされたアルペジオが加速して、がしがしとした硬いフレーズと混ざり合う。ベースは補助線を引くんじゃなくて、ここらへんはニュー・ウェーヴあたりの影響なのだろうか、まるで主旋律を奏でているみたいだ。どこか無機質な感じがするドラムの音の鳴り方もおもしろい。メンバー5人が、楽曲の中心を目指して運動を行っているというよりは、ある決められたポイントを軸に、それぞれ上下縦横と奔放に動き回っている印象だ。そのあたりに、他とは一線を画す、新味や個性が宿っている。惜しむらくは、これがインディ・レーベルからの発表であり、そのせいで大勢にアピールする機会を失しているということだけだ。ここ日本において、イギリスのハード系バンドは、アメリカとは違い、なぜかインディであるというのはプラス評価の理由にならない、どころか、実力とは無関係に、ほとんど無視されるのが現状なのである。
posted by もりた | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽。
この記事へのコメント
こんにちは!すばらしいレビューですね!あたしが英語に堪能であれば、全部訳してオフィシャルの掲示板にのせたいくらいですよ!!


>ここ日本において、イギリスのハード系バンドは、アメリカとは違い、なぜかインディであるというのはプラス評価の理由にならない、どころか、実力とは無関係に、ほとんど無視されるのが現状なのである。

悲しい現実です。。。うぅ。。
Posted by mina at 2005年04月13日 16:53
>minaさん
どうもです。
やー新作よかったですね。いろんな部分が向上してるので、たくさんの人に聴いて欲しいと素直に思います。せめて日本盤が出ればいいのですが。
前作(日本盤)はCCCDだったりと、ここ日本では、ちょっとばかし不遇でありますが、そういった状況がすこしずつでも変わっていけばいいな、と、ファンの一人として願っています。
Posted by もりた at 2005年04月13日 18:41
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