ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年04月06日
 050406_1119~0001.jpg

 『月刊少年ジャンプ』5月号掲載。シリーズ久々の新作。和のテイスト溢れる架空の世界を舞台に、かつては感情を持たない殺戮マシーンであった主人公蓮華が、人とはいったい何か、その答えを求めて流浪の旅を続ける。道中で出会うさまざまな人々の、過酷な運命を受け入れる姿が、蓮華には、うつくしい花の咲くように見えるのだった。で、リアル・タイムの読者って、どのぐらい残ってるんだろう。長期連載だった『I'LL』を通じて、けっこう入れ替わっちゃってるんじゃなかろうか、ふとそんなことを思った。もともともは90年代にはじまった作品だけあって、基本線は、自分探し物語のワン・ヴァリエーションである。ただ、絵柄が多少変わった、あるいはブランクというのもあるのだろうけど、蓮華の表情が、以前よりも冷たさを強く感じさせるものになっており、そこいらへんに90年代が終わったあとの世界観を見て取れる。要するに、自分探しという行為が、それほど切迫感を持ったものではなくて、ある種のモラトリアム的戯れとして機能していることが、描かれる目の白さへと作用しているのだ。アパシーが表現方法に終わらず、表現目的であるような線だと思う。あと、物語でいえば、たぶん90年代ぐらいだったら、この手の話は、姫の従者の人が一回裏切るようなパターンでもって、最後は改心するかしないかというところに落ち着くというのがセオリーだったような気がする、じっさいに蓮華の第1話はそういう感じだったわけだし、が、善人は善人なんだよね、最後まで、迷いがない。迷いがないというのが大事で、そのあたりに、ここ数年における、苦悩の変容が現れている。そのことはじつは、ロック・ミュージックの移り変わりと、すくなからず連鎖しているんではないか、と。ま、それはそれとして。僕なんかにすれば、浅田弘幸というマンガ家の本質は、やっぱり彩吉のようなキャラクターにある。この人のトボけ具合だけは、依然として変わりがなかった。というか、変わりようがないんだろう。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック