ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年11月18日
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 〈大事な事だ忘れるなよ“おまえはオレの地図が描けるか”と質問するんだ〉と、もうひとりの輪蛇、来原は言った。〈今、ワケは考えなくていい! おまえはこの話を覚えておけばいいんだ ハルマ!〉〈“地図が描ける”とヤツが答えたら お前は命令しなければならない〉〈“オレの反射板(リフレクター)になれ”とな……〉。吉田聡の『荒くれKNIGHT 高校爆走編』10巻、「ROAD TO STARDUST」シリーズは、そうして若き、やがて四代目となる輪蛇(LINDA)が、自分たちにとって反射板の役割に値する男を見つけ出すまでの話だ。では反射板とは何か。それは〈遠くにいるリーダーの存在を闇の中でも示すモノ / リーダーがテールランプを消しても 遠くの仲間にその居場所を教え続けるモノ〉である。善波七十五率いる三代目において、知性派の牧が担った役目でもあった。ならば来原のいう「ヤツ」=由利矢は、はたして四代目の、それに見合う男なのであろうか。秋山と村雨が奔走する一方で、春間が先代輪蛇の一員として善波らといっしょに消えていくつもりなのか、それとも後続たちを導くための新しい光になる自覚があるのか、が、試される。振り返ると、「高校爆走編」よりも以前『荒くれKNIGHT』(無印)というマンガは、まだ右も左もわからなかったころの春間が憧れの輪蛇に入った、そこを物語の出発点に置いている。いうなれば、物語のうちにおける時間は、ペーペーからいっぱしの輪蛇へと成長する彼の時間とパラレルであった。だから(次巻で)全部の物語が完結するにあたって、春間の得たものが、こういうかたちで提示されなければならなかったのは、ほとんど必然だといえるし、そのことは〈善波さんに比べればオレや村雨はまだまだ20点か30点ぐれえの下っ端だ〉〈でもな! オレは三代目のケツにくっついて皆のテールランプを追っかけてるウチにわかったんだ!!〉〈満点目指すならよ!〉〈汗流してかき集めるしかねーんだ!〉〈てめえの中に転がってるマシな所をかき集めて満点になっていくんだ〉〈輪蛇はな!そうやって男になっていく場所でもあるんだ!!〉という、このような言葉にまさしく集約されていることを、おそらく、これまでの物語に付き合ってきた読み手の多くは知っている。がゆえに、燃える。と、ここでさあ、ちょっと気づいたことを書いておきたいのは、たしか『荒くれKNIGHT』(無印)の15巻だったけな、あの甲斐性なしのロクデナシで人間の屑のヒデオのエピソードで、ヒデオのしでかしたゴタゴタを後輩の秋山が謝りにいく場面があるじゃん、あそこでさあ、ヒデオのために頭を下げる秋山のためにいっしょにおっかない善波さんに頭を下げてやろうとする春間だからこそ、こうやって秋山たちがついていくのかな、と思えば、さらに感動的であったよ。

 『荒くれKNIGHT 高校爆走編』最終回について→こちら

 『荒くれKNIGHT 高校爆走編』9巻について→こちら
 『荒くれKNIGHT 高校爆走編』8巻について→こちら

 『ジナス』1巻について→こちら

 『湘南グラフィティ』→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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