ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年11月14日
 Easy! 2 (2)

 池沢理美のマンガ『EASY!』は、この完結2巻で、着地点を女の子同士の友情みたいなところに持っていっているのだが、いかんせん主人公にあたるリカの魅力がぜんぜん描けていないため、説得力に欠く、まったく成功していない。いやたしかにヨネは、リカの〈迷いなくストレートにすきな人に向かっててさ〉という部分に惹かれたとの説明は、ちゃんと作中でなされてはいるのだけれども、それはたんに登場人物がそう言ったという程度の、まさしく取って付けたような理由でしかなくて、読み手の側からすれば、終始リカの在り方は、世間知らずで頭の弱い女の子というカテゴリーにすっぽりと収まってしまい、そこから出ることがない。じじつ物語内部の水準で考えてみても、先に挙げたリカの長所(に見えるらしい)〈迷いなくストレートにすきな人に向かっててさ〉というのは、じつは1巻の頃からヨネに指摘されている〈すぐホレて / すぐ貢ぐ〉悪い癖と同義でしかないのであって、とどのつまり、ひとつのことをべつの言葉で言い換えてみせただけに過ぎない。またリカは、ヨネに腹を立てたさい、〈いっかいふられたからって / そう簡単に「すき」をやめられるもんじゃないの〉と激しく言い、〈もしかしてヨネちゃんてモテすぎて / だれかをホンキですきになったことないんじゃないの?〉と罵るわけだが、ここには、論理のすり替えでなければ、もっとも大切なことが誤魔化されている。リカの場合、対象(好きな人)と行為(好きになること)の区別でいえば、あくまでも行為へのアディクション(嗜癖)に近しく、結局のところ、その行為自体が真に恋愛であることを、けっして証明するものではない。とはいえ、ヨネが永く好きであった先輩に告白しようかどうか迷う場面で、砂浜からリカが突然出てくるあたりの、自分の恋愛以外にも発揮されている、ああいう滅茶苦茶で意味不明な行動力が、リカの魅力だといわれたら、ものすごくわかるのに。

 1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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