ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年11月11日
 キレルくん 1 (1)

 主人公の名前をキレルくんという、従って作品名は『キレルくん』である。と、そこで、ええー、と眉を顰めたあなたはきっと、ミッチェル田中の『絶対解決まぐれ君』を知らないのかもしれないが、まあいい。だいいち『まぐれ君』と『キレルくん』は関係ない。いや『週刊少年チャンピオン』繋がりだろ。あなたがそう言ってくれると、僕は嬉しい。が、さておき。本題は五島慶彰のマンガ『キレルくん』の第1巻なのだった。まさか単行本が出るとは思わなかったね〜(キレルくん口調で)。ジェノサイド学園、通称ジェノ学は、県下に知らぬ者のいない、伝説的な不良校であったが、ある年の入学式を境に、世間へ対する学校の評判も上々に、激変を遂げる。なぜか。キレルくんがおっかないからである。ふだんは温厚な、どちらかというとオタクの気があるキレルくんは、道に唾を吐いた程度のマナー違反であれ、それを目にした瞬間、女子供さえも容赦なく殴る、蹴る、の鬼と化す。そうして不良グループは一掃され、あまりの傍若無人さに教師すら口を出すのを憚るぐらい、当人の自覚はほぼ皆無のまま、まさに学内の治外法権として、皆から恐怖されているのだ。作品は今も『週刊少年チャンピオン』で続いており、現在の連載分では、ヤンキー・マンガのスタイルに似た、大規模な抗争に発展しているけれども、この、ごく初期の段階では、あくまでも特殊な人格をテコにしたギャグ・マンガのスタンスをとっている。とはいえ、キレルくんという、いわば強力な地雷をいかにして踏まないか、といった周囲の人間たちの挙動こそをエンターテイメントの源にしている、その一点においては、何ら路線変更は行われていない。要するに、マンガ総体の主人公はキレルくんであっても、ワン・エピソード単位の主役は脇を固める登場人物たちのほうがつとめているわけだ。そのなかにあって、僕がもっとも愛着を抱くのは、かつては学園を支配する女番長であったが、キレルくんのキレっぷりに惚れてしまう、さやか姐さんである。彼女に対するキレルくんの仕打ちも滅茶苦茶だが、そのことでますます募る姐さんの愛情も滅茶苦茶なのだが、それがじつに割れ鍋に綴じ蓋というか、思いのほかナイスなカップルぶりは、たぶん次巻以降に収められる。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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