ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年11月08日
 No Heroes

 否応なく切羽詰まっている気分で、へらへらしている奴らを目にすると、ものすっごく苛々する、それというのは、もちろん、こちらの心理の勝手な事情に過ぎないのだけれども、だが嘘や偽りをいっさい含まない、こうした純度の高いフラストレイトを、爆発させたならば、さぞかし愉快だろうな。その一点、その一点こそを、直に、痛覚に似た激しさで訴えかけてくるような、だからこそ素晴らしく感じ入る表現というのが、この世にはある。あるいは、そうした表現を形容するさいに、エクストリームといった語が用いられるとすれば、CONVERGEの音というのは、まさにそれに相応したものだといえる。前作『YOU FAIL ME』(04年)とも、前々作『JANE DOE』(01年)とも、またそれ以前の作品とも、完全に異なった質感だが、しかしCONVERGE以外の何ものでもないサウンドを出してきたな、というのが、この『NO HEROES』を聴いての印象である。と書けば、あたかもCONVERGEというブランドを前提にしてしまっているかのようだけれど、いや、そうではない、そうではなくて、同時代の、同系統の、あらゆるアーティストをチェックしてみたとき、比較すべきは、当人たちの過去のキャリアしか見つからないあたりに、このバンドの個性が表れている。あえていえば、ちょうど10年前に全盛期のPANTERAが、『FAR BEYOND DRIVEN (悩殺)』から『THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL(鎌首)』へと力押しで突き抜けた、ああいう他を寄せつけない、圧倒的な臨界を孕んでいるのだ。さて。『YOU FAIL ME』の時点で、初期の頃から有効活用されてきた、するどくメタリックな響きと複合構造的な演奏の比重はちいさくなっていたが、ここに至っては、カティック・ハードコアというよりは、純粋にハードコア、ハードコアというよりは、むしろパンクとでもいうべき、非常に生々しい録音と、直線的な運動でもって楽曲の骨格は支えられている。にもかかわらず、神は細部に宿るといわんばかりの、超過密な技巧上のドライヴでもって、それを可能にし、さらに今日的な轟音の極北にまで持っていっているのだから、うならされる。高速度の領域に瞬間の芸を積み重ねる序盤で、がしがしと聴き手の意識を攪拌し、その揺さぶられた衝撃から立ち直る間を与えず、7曲目「PALGUES」と8曲目「GRIM HEART / BLACK ROSE」の、ブラックかつサバティカルないしブルーでオイスターなカルトふうに、ヘヴィでスローなギターのリフをずらしつつ反復しながら作り上げられた、情念の渦巻く世界に引きずり込み、そこからいっきに解放感の愉楽を導くかのような、もはやキャッチーともとれるアップ・テンポのナンバーが連続した末、気がつけばラストに達していたという、アルバム全体の構成も決まっている。そうそう、それで、その残響も消え去れば、ひどく胸のすくアトラクションを調子に乗って何度も体験したあとみたいに、ぐう、と具合が悪くなった。相当、恍惚にあてられたんだろうね。

 『YOU FAIL ME』について→こちら

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(06年)
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