ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年11月04日
 サードガール1.jpg

 やはり今年は西村しのぶイヤーであったな。いやいや、同じタイトルの作品が版を改めて出た、それだけで買い集めてしまうこれをファン心理というのであれば、たしかにそうなんだけれども、今回の、『サードガール』はさすがに「完全版」というだけあって、うんうん、このかたちで持っておきたいねえ、と納得できるぐらい、ポストカード等のオマケも含め、びしっと決まっているのではなかろうか。涼と美也の大学生カップルと中学生の夜梨子の、すこし変わった三角関係を描いていると同時に、その三人がじょじょに大人び、洗練されていく様子を追った一大長篇となっているのだが、このデビューの頃はまだ、随所に拙さが見え、また話の運びや雰囲気もやけに80年代し過ぎているきらいがある、とはいえ、登場人物たちのスタイリッシュで粋な振る舞い、神戸という土地への愛着は、のちの西村作品へと発展する、まさに原形であるような輝きを放っている。巻末の作者コメントによると、文庫版でアナウンスされ、長年噂になっていた9巻の予定はどうやらなくなってしまったらしいのは、すこしばかり残念というか、やっぱりというか、まあほとんどのマンガが未完なのも、微笑ましく、この作者の魅力だと感じてしまうそれもファン心理というのであれば、たしかにそうなのであった。

・その他西村しのぶの作品に関する文章
 『下山手ドレス(別館)』について→こちら
 『メディックス』について→こちら
 『アルコール』2巻について→こちら
 『一緒に遭難したいひと』2巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック