ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2004年07月01日
 たとえば瀬尾まいこや柴崎友香、絲山秋子を支持する層というのは被っているんじゃないかと思う。たしかにどこか近しい感触がある。けれども、それぞれ違うなにかを持っている。何が違うのかはちょっとわからないのだけれど、近しい何かについては、なんとなくわかる、気がする。
 角田光代の作品を評して「新しい共同体の形」だか「新しい共同体の姿」だかといったのは石川忠司であったが、瀬尾や柴崎、絲山の小説にあるのも、つまり、そういったものなのだと思う。
 彼女たちの小説には、恋愛のモチーフが影としてあるけれども、それは、けっして明確な恋愛の像へと結ばれてはいかない。この『天国はまだ遠く』でいうならば、最後に一組の男女が離れてゆくのは、ほとんど必然のようである。
 「新しい共同体」とは、たぶん言い換えれば、他の装飾を持たない、バイアスがどっからもかかってこない、自らによって恣意的に選択した「繋がり」のようなものである。それはとてもあたたかく居心地がいい。しかし、そのあたたかさは何も産まない、そのことを知っている人々は、やがて離れ離れになっていく。
 「繋がり」のようなものの別の名前を、「恋愛」とすることは可能かもしれない。だけど、それは本当の意味での「恋愛」ではない。そして僕たちの多くが、その本当の意味での「恋愛」ではないものを、いま「恋愛」と呼びながら暮らしている。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック