ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年10月18日
 アライブ最終進化的少年 10 (10)

 マンガ表現のなかで、わりと頻繁にとられるパターンのひとつに、かつては親友同士だった黒い髪の少年と白い(色つきの原稿では銀であったり金であったりするのかもしれないが、ストーリーのなかにはあっては白くしか見えない)髪の少年の複雑な対立というのがあって、それは多くの割合で、世界規模の破滅や神話的な創造へと繋がってゆくものなのだけれど、まあたとえば、ものすごくわかりやすい例を挙げれば永井豪の『デビルマン』とかね、そういう系のヴァリエーションだというふうに、この『アライブ 最終進化的少年』(原作・河島正 / 作画・あだちとか)の内容を捉まえるとすれば、主軸である叶太輔と広瀬雄一の邂逅が、直截的に、物語全体において鍵の役割を担う“アクロの心臓”の復活と一致せざるをえないのは、これ以前の9巻によって実証された。というわけで、この10巻からは、“アクロの心臓”が復活して2年の月日が経ち、表面上は平穏な時間が流れながらも、その裏側では、国家レベルの思惑が導入されるなど、顕著なスケールの拡がりが新展開とともにもたらされているのだが、いちばんのポイントは、前巻で消息を絶った太輔と雄一の生存が、読み手の側からは確認できない、という点だろう。そういう、ふたりの距離が今この時点では無限に開かれているかのように見えること、それこそが、先ほどいった作品内部におけるスケールの拡がりと一致しているのだし、その拡がりのなかに、次巻以降を展開させるのにおそらく必要な、新しく多くの謎が生まれているのである。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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