ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年09月27日
 7SEEDS 9 (9)

 夏のAチームとBチームが対称的であることの意味合いが明かされ、そして夏のBチームに付き添う百舌がいったい何者なのか、おそらくはそのヒントが与えられている、田村由美の『7SEEDS』9巻である。夏のAチームの選抜テストが結果的に何を育んだかといえば、ある種の狂気であった。これまでに物語内で紹介されてきた夏のBチーム、春のチーム、冬のチーム、秋のチームの少年少女たちが、突然、非日常的な空間に放り出されたため、文明的な精神をいったんリセットしなければならなかった、要するに、それまでの論理からゼロの状態でスタートを切らなければならなかったのとは違い、夏のAチームは、徹底的な合理化のうえに成り立つ集団である。極められた合理は、しかしエモーションという余剰を排除してしまう。そのことを指して、とある人物は〈オレは失敗したかもしれない〉と呟いたのではなかったか。とはいえ、文明崩壊後の未来を、夏のAチームが、いかに生きたのかはまだ語られていない。そうして作中の時間は、そこに戻り、春のチームと行動をともにする冬のチームの荒巻は、かつて甲子園のあった場所で〈もう誰も独りで死なせたりしない〉と誓う。

 8巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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