ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年09月25日
 誰に感情移入したらいいのかわからないまま、わりとヘヴィな気配を漂わせ、物語は進む。まあ近親相姦が明るく楽しい話題のはずもない、か。ふとしたことをきっかけに出会った無気力な青年の喬が、じつは母親の再婚相手の息子、つまり自分の義兄であることを知った梢子は、自堕落で頼りない彼の世話を焼いているうち、次第に異性として心を惹かれてゆく。というのが、斎藤倫『世界を敵に回しても』の、前巻における大まかな筋である。この喬の親父さんというのが大したタマで、これが3度目の結婚になるのだが、一番最初の奥さんとのあいだにできた娘を月名という、彼女と、二番目の奥さんとのあいだに生まれた喬とは、要するに、異母姉弟なのだけれども、ふたりが過去に一線を越え、セックス(性交)してしまったことが親父さんの知るところとなっため、いま、月名は家を出て一人暮らしをしている、それでも彼女を忘れられない喬は、だからじょじょに壊れてゆくしかなかった、そのことが、この巻で語られる。三番目の奥さんの連れ子にあたるのが、つまり、梢子になるのだが、こちらはまあ血は繋がっていないとはいえ、喬を想うことに問題がないわけではない。というか、いやもう、ふつうの三角関係以上に、大変な騒ぎである。そういう事情があるから、喬を立ち直らせようとする、梢子の甲斐甲斐しい努力が実を結び、それこそ「世界を敵に回しても」彼女らが一緒になったところで、おめでとう、よかったね、とは、さすがにちょっと言い難い。これをどうやってハッピー・エンドに持っていくのか、あるいは持っていかないのか、作者のコメントによると3巻で完結する予定であるらしいので、期待して待っておく。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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