ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年03月13日
 溺れるナイフ 1 (1)

 閉塞した環境がすべてのなかで出会う少女と少年、それぞれの存在がそれぞれの未来に関与してゆく構図は、「きみとぼく」の関係性が軸となる物語だといえる。東京で中学生向けファッション誌のモデルをやっていた夏芽は、小学6年生のとき、両親の都合で「浮雲町」という方言丸出しのド田舎へと引っ越すことになる。海が近く、神様の恩恵がまだ信じられている。新しい場所に、ほんのすこし、うまく馴染めない彼女がいる。真夜中の海岸、そこで出会ったコウちゃんと呼ばれる同級生の男の子だけが、みんなとは違って見えた。掲載誌の関係なのか、『平凡ポンチ』ではやや力業すぎる一点突破を披露するジョージ朝倉だが、ここでは、繊細な情景がエモーショナルに描かれている。その分だけ、沸き立つ衝動はダイナミックである。フラッシュよりも眩い、キラキラとした光は、まるで切っ先のするどいナイフのようだ。少年や少年を束縛する何か(おそらく血縁関係に基づくものだろう)は、まだうっすらとした伏線にしか過ぎないけれども、それが唯一のルールではない、そういう場所へと移動するための交通機関として、ふたりを結ぶ恋愛は発展してゆくのだろう、という予感がするのだった。


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ。
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